Wednesday, May 17, 2023 6:52 AM
米国史上最大6700万台リコール
米国自動車安全規制当局がエアバッグ・インフレーター(膨張装置)関連の欠陥で過去最大となる6700万台のリコールを要求したと、中央日報やウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が報じた。
米国家道路交通安全局(NHTSA)は書簡で、ARC Automotive(テネシー州)が製造したエアバッグ・インフレインターに欠陥があり、リコールの必要性があると明らかにした。インフレーターが溶接される方法に潜在的な問題があり、これによってインフレーター内部に非常に強い圧力がかかり破裂するおそれがあるとした。
ARCのインフレーターは、GM、VW、現代など12社の自動車メーカーに供給された。2001年からの車両数は6700万台になる。
NHTSAは少なくとも18年1月までに製造されたすべてのインフレーターをリコールするよう要請したが、ARCは声明で「広範囲な現場テストで本質的な欠陥は見つからなかった」とし「NHTSAの要請に同意できない」と反発した。
GMは、運転席エアバッグのインフレーター(ガス発生装置)が作動中に爆発する恐れがあるとして、米国で100万台近いSUVのリコールを実施すると発表した。ロイター通信によると、対象となるのは、ARCオートモーティブ製の装置を搭載した14-17年型の「ビュイック・エンクレイブ」「シボレー・トラバース」「GMCアーケイディア」合わせて99万4763台。ディーラーが運転席エアバッグ・モジュールを交換する。
WSJは今回のリコール事態が2014年日本タカタ・エアバッグ・リコール事件と似ていると分析した。当時米国史上最大規模となる4600万台の車両で使われていた7000万個以上のエアバッグが問題になった。このエアバッグは自動車メーカー19社で使われていた。これによってタカタ役員の一部は刑事告発を受け、タカタの破産申請という結果につながる事態になった。