Friday, June 23, 2023 6:57 AM
メルセデス、米国でチャットGPT使った音声制御を試験
メルセデス・ベンツは6月中旬から、米国の一部のモデルで対話型人工知能(AI)「チャットGPT」を試験的に提供している。
ロイター通信によると、対象は同社の車載マルチメディアシステム「メルセデスベンツ・ユーザー・エクスペリエンス(MBUX)」を搭載した約90万台。ドライバーはメルセデスのアプリまたは音声コマンドで選択した後、無線でチャットGPTをダウンロードできる。
同社は試験を3カ月間実施し、ドライバーがこの技術をどのように使うかを確認する。チャットGPTによって、車のシステムの回答がより自然に聞こえるようになり、目的地に関する質問や、夕食は何を作ろうかといった問い合わせにも対応できるようにする。
メルセデスはこれまでも、シートヒーターの作動などドライバーや搭乗者が音声でさまざまな要望を出せるようにしてきた。
チャットGPTはマイクロソフト(MS)のクラウド電算システムを通じて提供され、ドライバーは「ヘイ、メルセデス」で始まる音声コマンドで車と情報交換ができるようになる。
この契約は、マイクロソフトにとって大きな商機となる。ライバルのアマゾンは長年より多くの自動車に音声アシスト技術「アレクサ」を搭載することに取り組んできたが、マイクロソフトはチャットGPTの開発元であるオープンAIへの投資を通じてアマゾンに対抗できる技術を手に入れた。
マイクロソフトは自社のブログ記事で、プラグインを通じた統合によってドライバーが運転席からレストランの予約や映画のチケット予約などができるようになる日が来る可能性に触れている。
試験プログラムから得られる知見は、メルセデスがほかの国や別の言語で対話型AIを追加する計画に反映される予定で、音声データはメルセデスのクラウドに保存され、匿名化された上で分析される。
ライバルのGMも3月、マイクロソフトとの広範な協力関係の一つとして車へのチャットGPT導入を模索していると発表している。