Thursday, July 27, 2023 7:15 AM
サイオンパワー、評価用に次世代電池の供給拡大
リチウムイオン電池製造のサイオン・パワー(Sion Power、アリゾナ州)は、顧客が同社の電気自動車(EV)向け次世代リチウム金属電池技術「ライセリオン(Licerion)」を商業用に評価できるよう、容量6〜20アンペア時(Ah)の多層リチウム金属電池を1万8000個以上生産しており、技術開発で大きな節目を迎えている。
プレスリリースによると、同社が特許を持つライセリオン技術は、画期的な体積エネルギー密度と重量エネルギー密度を実現し、軽量・小型の電池で航続距離の延長を可能にする。
リチウム負極の保護や急速充電用に最適化された電解質組成と、特許取得済みの均一圧力印加方式によって、ライセリオン電池はサイクル寿命が長い。6Ahの大判パウチ(袋)型EV電池は充放電サイクルが800回を上回り、17Ahの電池は400Wh/kgの重量エネルギー密度と780Wh/Lの体積エネルギー密度が実証されている。
トレイシー・ケリーCEOは「当社は技術だけでなくサンプル製品を持っている。当社チームは自動車メーカーが試験を経て設計に組み込めるよう、電池の技術や供給能力を高め続けている。商業的評価のため、これまで膨大な数の多層リチウム金属電池を製造しており、それらは表示された技術仕様を上回り続けている」と話した。
現在、複数のEVメーカーが同社の電池の評価を続けており、サイオンは追加試験のために17Ah電池の供給量を増やしている。同社はまた、車載用Bサンプル「ライセリオンEV56Ah」電池の予約注文も受け付けており、24年後半の提供を予定している。
ライセリオンは、従来のリチウムイオン電池と同じサイズと重量で2倍のエネルギーを提供する先進的な技術で、最大重量エネルギー密度500Wh/kgの大型電池の大規模生産によって、商用および消費者用EVの性能を大幅に向上させる可能性を秘めている。
https://sionpower.com/2023/sion-powers-licerion-lithium-metal-nextgen-battery-technology-expands-availability-for-commercial-emobility-evaluation/