Wednesday, November 08, 2023 6:12 AM
エイバ、ニコンに産業機械用センサー供給へ
シリコンバレーのライダー(光検知・測距装置)開発企業エイバ・テクノロジーズ(AevaTechnologies)は、ニコンの産業機械向けに、組立ラインを流れる自動車などをスキャンして微細な欠陥を検出するセンサーを供給する契約を結んだ。
ロイターによると、ライダーは車に搭載され、周囲の道路状況を立体的に把握して運転支援機能を支えることが多いセンサー製品。エイバも自動車市場を主な標的にしているが、同社のセンサーは三次元(立体)スキャンを必要とする他の用途にも使用でき、2021年にはニコンの産業機器の改良に協力すると発表している。
ニコンは、自動車を含む工業製品のわずかな欠陥を検査し、製造の質向上に役立てるスキャン装置を製造している。しかし、製造ラインを流れる全ての車両の検査に使うには、今の装置では大き過ぎて、検査に時間がかかる上高価すぎるという。このため、エイバのセンサーでスキャナーの小型化と低価格化を目指す。
エイバのソルーシュ・サレアンCEOによると、現在、工場での車両スキャン率は各メーカーの品質管理の度合いによって異なるが「最も厳格な自動車メーカーにとって、究極の目標は100%」であり、「当社にできることはスキャナーで処理できる生産台数の割合を増やすこと」だという。
ニコンへのスキャナー用センサー供給は24年に開始する予定で、25年にはエイバのセンサーを搭載したニコン製品が市場に出回る見込み。このセンサーは、出荷数は自動車市場向けより少なくなるが、精度が高いため単価は自動車用の約10倍になるという。