Tuesday, November 14, 2023 5:49 AM

黒鉛加工のウルビックス、アピアンから資金とJDA契約獲得

 米国を拠点とする黒鉛(グラファイト)加工技術会社ウルビックス(Urbix、アリゾナ州)は、鉱山関連を専門とする英国拠点の投資会社アピアン・キャピタル(Appian Capital Advisory)から大規模な戦略的投資を獲得した。

 アビアンは、長期的価値を重視して鉱山関連企業に投資するプライベート・キャピタル・ファンドを運営している。

 グリーンカー・コングレスによると、アピアンは今回、ウルビックスへの投資だけでなく同社の高度な処理能力を活用した商業規模の黒鉛処理施設を建設するための共同研究開発契約(JDA)も締結した。

 ウルビックスは、リチウムイオン電池に必要な負極材であるCSPG(被覆球状黒鉛)を持続可能な環境に優しい手法で製造する独自の技術を持つ。低コストで、フッ化水素酸を使わず、業界標準を上回る収率をもたらす。

 JDAの一部として、ウルビックスは商業規模の実証モジュールを完成させ、後期段階の製品検証に必要なサンプル量を生産し、顧客との関係を拡大する予定だ。

 開発活動には、フィージビリティ・スタディ(新規事業の採算性や実現可能性調査)の実施や、施設建設の最終投資決定(FID)に向けたプロジェクト・ファイナンスの提供も含まれる。FIDが承認された場合、アピアンとウルビックスは施設の建設と運営のための合弁会社を設立する予定で、この施設は、米国内および海外に戦略的に配置される将来の生産施設のひな型となる。

 またウルビックスは、この施設を米インフレ抑制法(IRA)に基づく投資税額控除および生産税額控除の対象とする意向で、中国が黒鉛の輸出規制を強化する中、電気自動車(EV)製造のためのより確実な材料供給を推進するIRAの意義に沿った動きとなりそうだ。