Friday, January 12, 2024 6:40 AM
ヴァレオとテレダイン、車載サーマルカメラ提供で提携
仏ヴァレオ(Valeo)と、防衛および産業向けサーマル・イメージング技術大手テレダイン・フリアー(Teledyne FLIR、オレゴン州)は、道路利用者の安全向上を目的に、自動車業界にサーマルカメラ技術を導入するための戦略的協業を開始した。
グリーンカー・コングレスによると、両社は2023年後半、車と交通システムの安全を向上させる次世代の先進運転支援システム(ADAS)技術の一つとして、世界的な大手自動車メーカーに新型サーマルカメラを納入する大口契約を獲得。ナイトビジョンADAS向けに、初の自動車安全度水準(ASIL)Bのサーマルカメラ技術を提供する予定だ。
このシステムは、ヴァレオの幅広いセンサーを補完し、同社のADASソフトウェア・スタックを使って乗用、商用車のほか自動運転車(AV)の夜間における自動緊急ブレーキ(AEB)機能などをサポートする。
今回の提携では、車の安全性を高める次世代マルチスペクトルセンサー融合システムを構築するため、両社が強みを持ち寄る。ヴァレオは車載ビジョンシステムにおける幅広い専門知識を生かして、テレダイン・フリアーのサーマルビジョン技術を統合し、ヴァレオの人工知能(AI)およびグラフィカル・ビジュアライゼーション・スタックに基づく知覚ソフトウェアなどの完全なナイトビジョン用ソリューションを自動車メーカーに提供する。
米国では22年、歩行者の死者数が1981年に統計が始まって以来の最多を記録した。その4分の3が夜間に発生しており、自転車や動物も含めた交通弱者を保護するためにさらなる対策の必要性が高まった。これを受けて連邦規制当局は、夜間試験を義務付けるなどAEBシステムの試験基準を厳格化しようとしている。
両社によると、低照度や悪天候の中で動く物体を検知し分類する上でサーマル画像は非常に重要だが、既存のAEBシステムには含まれていない。