Tuesday, January 23, 2024 6:05 AM
世界のEV市場、24年は成長鈍化へ〜補助金減少で
24年の世界のEV市場は、各国で補助金が減ってEVの魅力が低下し、成長率が27.1%に鈍化するとの見通しを調査会社カナリスが発表した。
ロイターによると、23年の成長率は各国政府の優遇措置がEVの普及を後押しし、29%(1370万台)に達したと推定される。23年に値下げを実施したテスラを含む各メーカーは、補助金の減少と借入コストの上昇で需要が圧迫されている。
カナリスのジェイソン・ロー氏は「EVのASP(平均販売価格)が20%下落したにもかかわらず、製品の選択肢不足や不便な充電環境が需要が阻害し、市場の成長に影響を与えた」と分析する。同社は北米市場の24年成長率を26.8%と予想しているが、EVの普及率は12.5%と、依然として中国や欧州よりも低い。
中国では、電池コストの低下でコンパクトカーやサブコンパクトカーの販売が促進され、EV普及率は40%に達し、中国ブランドは国内市場でシェア78%を占める見通しとなっている。比亜迪(BYD)は、23年10〜12月期にテスラを抜いてEV販売台数の世界首位となった。
EVへの移行は全体的に減速しているため、フォードなどいくつかの伝統的な自動車メーカーは生産拡大計画を縮小している。
一方、HVは価格の低下もあって購入者には一層魅力的になっている。自動車調査会社エドマンズによると、23年11月のHV世界市場シェアは9.7%に拡大し、前年同月の2倍近くになった。
カナリスは「自動車メーカーはEVの成長加速が予想される25年に向けてより良いポジションを確保できる。中国メーカーは、現地生産への投資の果実が各地で得られるようになるため侮れない存在になる」と予想している。