Wednesday, January 24, 2024 6:21 AM
自動車業界幹部、EVの供給網と収益性を懸念
EVの収益性とサプライチェーン問題が自動車業界を悩ませていることが、改めて明らかになった。
オートモーティブ・ニュースによると、KPMGの「24年グローバル自動車エグゼクティブ調査」では、中国以外の回答者の45%が、EV電池生産に必要なリチウムとコバルトの今後5年間の調達について「とても」または「極めて」懸念している。
KPMGのゲーリー・シルバーグ氏は、中国の支配力と中国を外した環境が経営幹部の懸念の元になっていると指摘する。「新しいサプライチェーンには、自動車メーカーがこれまで取り組んだことのない問題がたくさんある。自動車メーカーが行く先々で中国が大きな影響力を持っている」
一方、中国の経営幹部はサプライチェーンに強い自信を持っており、EV電池に必要な資源へのアクセスについて「とても」または「極めて」懸念している人の割合はわずか28%だった。
EVの収益性に対する自信も低下している。今後5年間で収益性の高い成長を達成できると「極めて強く確信している」と答えた人は前年調査の41%から34%に低下した。理由として「世界経済とコスト上昇への懸念」が挙げられた。
EVが内燃エンジン車と同等になるという確信も薄れ、「30年までにコストが同等になる」と答えた人は前年の70%から66%に低下した。
経営陣の3分の2以上は、今後1年間にすべての自動車の価格が5〜10%上昇すると予想しているが、シルバーグ氏は「市場から価格上昇を引き出すのは経営幹部が考える以上に難しいかもしれない」と見ており「今まではインフレと新型コロナウイルス禍を理由に値上げできたが、サプライチェーンが正常化し在庫水準が上がり始めて競争が激化している」と述べた。