Monday, January 29, 2024 8:10 AM
オムロン、インフィニオンと提携〜V2X充電システム開発で
オムロン・ソーシアルソリューションズ（東京都）は、ドイツの半導体大手インフィニオン・テクノロジーズ（Infineon Technologies）と提携し、インフィニオンの高品質な窒化ガリウム（GaN）ベースの電力変換ソリューションとオムロンの先進的な回路アーキテクチャー、制御技術を統合して、日本で最も小型・軽量なV2X（車車間・路車間）充電システム「KPEP-Aシリーズ」を開発した。
パワーエレクトロニクス・ニュースによると、両社はこの提携で、電力供給におけるSiC（炭化ケイ素）やGaN（窒化ガリウム）のようなワイドバンドギャップ材料の開発、再生可能エネルギーへの移行、電気自動車（EV）やよりインテリジェントな電力系統の導入を加速させ、二酸化炭素（CO2）排出量の削減とデジタル技術の統合を促進している。
「KPEP-Aシリーズ」にはインフィニオンの「CoolGaN」技術と独自の制御技術が組み込まれており、再生可能エネルギー源、電力系統（グリッド）、電気自動車（EV）搭載電池間の双方向充放電を実現している。日本では最小かつ最軽量のマルチV2Xシステムで、類似の充放電器と比べてサイズと重量を60%削減しながら出力6キロワット（kW）の充電能力を提供できる。
インフィニオンの「CoolGaN」技術を組み込むことで、V2Xシステムの電力効率は軽負荷時で10%以上、定格時には約4%の効率向上を実現。効率向上と寸法・重量の削減によって設置や維持管理の簡素化が促進され、より洗練された設計が可能になり、設置場所の選択肢が広がる。
SiCやGaNのようなワイドバンドギャップ半導体は、従来の半導体と比べて電力効率の向上、小型化、軽量化、および全体的なコストの低減といった顕著な特徴を持つ。インフィニオンは、シリコン、SiC、GaNをベースとしたディバイスを含む幅広い製品と技術を提供している。