Friday, March 01, 2024 6:20 AM

フォルビア、最大1万人削減へ〜世界的な車両電動化に備え

 フランスの自動車部品大手フォルビアは、世界的な自動車電動化に備えて最大1万人を削減し、2028年から年間約5億ユーロ(約5億4000万ドル)のコスト削減を目指すと発表した。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、電気自動車(EV)の普及を促進する欧州連合(EU)の政策、欧州全体の自動車販売の減少、中国EVメーカーの欧州進出に伴う顧客基盤の変化の中で、同社は競争力の維持を目的に人員とコストを削減する。人員削減は全従業員の約13%に影響する。

 フォルビアは自動車の内装と排気システムを専門とし、世界中で製造される車の2台に1台には同社の部品が使われているという。事業再編が必要な理由にはほかに、欧州での収益性改善と中国への依存度の低減も含まれている。

 テスラを抜いて世界EV販売首位に躍り出た中国の比亜迪(BYD)は、欧州に車を輸送するための船を購入し、ハンガリーに工場を建設するなど、今後数年間で国外販売を増やすという野心的な計画を進めている。

 フォルビアが事業の転換を目指す半面、自動車業界の電動化への軸足は今年に入ってぶれ始めている。同社の本拠地フランスではルノーが1月下旬、EV新会社アンペアの新規株式公開(IPO)を中止すると発表した。 スウェーデンのボルボ・カーも2月初め、親会社の中国・吉利汽車と設立した高級EV会社ポールスター・オートモーティブへの出資を終了すると発表した。

 一方、南アのアングロ・アメリカン・プラチナムは、価格低下、コスト上昇、不確実な見通しに対処する中で最大4300人の人員削減を行う可能性があると発表した。独コンチネンタルも2月中旬、約7150人の人員削減を発表した。