Thursday, April 18, 2024 7:37 AM

BP、EV充電部門で人員削減〜10%超、市場絞り込み

 英エネルギー大手BPの電気自動車(EV)充電インフラ部門、BPパルスは、商用EV分野が期待ほど急成長しなかったため、これまでに従業員を10%以上削減して複数の市場から撤退している。

 ロイターによると、BPは石油・ガスから低炭素エネルギーへの軸足移行に対する投資家の疑念と闘う中で、最も収益性の高い市場セグメントに焦点を絞ろうとしている。BPパルス部門は、事業を集中する国の数を12カ国からEV市場の急成長が期待できる4カ国(米国、英国、ドイツ、中国)に絞っており、オーストラリア、ニュージーランド、フランスを成長国と位置付けている。

 この結果、BPパルスではここ数カ月で世界従業員900人のうち100人以上が解雇された。EVの普及が予想以上に遅れる中、世界中の自動車メーカーが計画を縮小する動きを見せており、EVの先駆企業であるテスラも、販売台数の減少とEVの価格競争の激化に対処するため世界従業員の10%超を解雇すると社内に通達した。

 それでも、EV充電事業はBPにとって五つの重要な柱の一つであることに変わりはなく、同社は顧客が急速充電器を備えたステーションで車を充電する間にコンビニエンス店で多くの時間を過ごすことを信じている。

 年次報告書によると、同社は23年末時点で全世界に2万9000カ所以上(前年は2万2000カ所)の充電施設を設置しており、30年までに10万カ所に拡大する目標だ。BPパルスの調整に関しては「目標をより正確かつ効果的に実行するための一歩」と説明している。

 BPは当初、大規模なEVへの切り替えが最初に起きるのは商用車だと予想していたが、各国政府がEVへの切り替え義務付けを緩和したこともあり、それは実現しなかった。BPは23年5月、家庭用EV充電器事業も閉鎖し、現在は主に急速充電拠点に力を入れている。同社は、25年までにEV充電とコンビニエンス店事業からのリターンが15%を超え、EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)は15億ドルになると見込んでいる。