Monday, April 22, 2024 7:05 AM
モービルアイ、運転支援用チップ4600万個以上出荷へ
インテル傘下の自動運転システム開発大手モービルアイ(Mobileye、イスラエル)は、今後数年間に出荷する運転支援システム用チップ「EyeQ6 Lite」の受注数が4600万個に達したと発表した。
ロイターによると、「EyeQ6 Lite」は世界の主要市場で販売されており、ニムロッド・ネフシュタン上級副社長(事業戦略・開発担当)は、この技術を搭載した車両が2024年半ばに発売される予定だと話した。また、4600万個は現時点での受注であり、今後数年間で拡大すると見込まれるという。
秘密保持契約のため発注者は公表されていないが、同社はフォルクスワーゲン(VW)やポルシェなどと取り引きがある。
「EyeQ6 Lite」システムは、車間距離制御(ACC)や車線変更など、いくつかの運転支援機能を搭載した大衆車向けの製品で、ドライバーがハンドルから手を離し、道路から目を離すことができるより高度な自動運転機能を搭載した車両用には設計されていない。
ロボタクシー(無人タクシー)のような完全自動運転車(AV)や、人間の介入を最小限に抑えた自動運転機能搭載車の発売は、必要な資金の高騰、安全リスクの高さ、厳しい規制などから見通しが予想以上に厳しくなっているが、自動車メーカーは競争が激化する中で他社との違いを出すため、より基本的な運転支援機能をいくつか追加している。
「EyeQ6 Lite」の場合、平日の午前中だけ制限されている速度や、制限速度が下がる都市部の入口の標識といった道路表示、交通標識の文字部分を読み取ることができる。このチップは、前世代と比較して演算能力が4.5倍高く、台湾積体電路製造(TSMC)の回路線幅7ナノメートル(nm、ナノは10億分の1)プロセスで製造されている。「EyeQ6L」のセンサーには、より遠くの環境条件や物体を検知できる120度の側方視野が可能な8メガピクセル・カメラが搭載されている。
モービルアイは、25年初めにより高度な運転支援システム用チップ「EyeQ6 High」の量産を開始する予定だ。