Wednesday, May 08, 2024 7:13 AM
ライダー開発ルミナー、最大顧客はテスラと発表
ライダー(光検知・測距装置)開発のルミナー・テクノロジーズ(Luminar Technologies、フロリダ州)は7日、2024年1〜3月期における同社の最大顧客は電気自動車(EV)大手テスラで、同期総売上高2100万ドルの10%以上をテスラ向け販売が占めたと発表した。
ロイターによると、テスラが販売するEVにライダーは使われておらず、テスラがどこでライダーを使ったかは不明。テスラのイーロン・マスクCEOはライダーに批判的なことで知られ、これまで「ライダーは愚の骨頂だ。ライダーに頼る者は破滅する」(19年)などと発言していただけに、ルミナーの発表は注目されそうだ。
ライダーは、光パルスを発射して物体に反射させ、車の自動運転システムや運転支援ソフトウェアが道路を3次元(立体)的に把握できるようにする装置。自動運転技術を開発する多くの企業や専門家は、特に低照度の状況でライダーは不可欠な技術と考えている。
テスラは近年、レーダーやサウンドセンサーといったセンサー類の搭載をやめた。同社が開発した運転支援システム「オートパイロット」や「フルセルフドライビング」は、物体の検知をカメラに依存しており、いずれも自動運転機能はない。
ソーシャルメディアには、以前からライダーを屋根部分に搭載したテスラ車の写真が出回っているが、テスラは「オートパイロット」システムの一部としてライダーを使うのではないかという憶測を否定し、「当社が使うカメラ、ソナー、レーダー・システムを補正するため、定期的に他のセンサー類と比較して技術試験をしている」と説明していた。
マスクCEOは自動運転車(AV)開発に力を入れており、8月にはロボットタクシー(自動運転タクシー)の発表を計画している。一方、ゼネラル・モーターズ(GM)のクルーズのようなAV開発企業は、多額の費用と技術的・規制的課題に阻まれて投資を縮小している。
ルミナーの1〜3月期の純損益は、1046万ドルの赤字だった。同社は最近、事業再建計画の一部として従業員を約20%削減し、自社製造を縮小すると発表している。