Tuesday, October 08, 2024 7:04 AM
リオティント、米リチウム企業の買収を交渉中
英豪系鉱業大手リオティントは、電気自動車(EV)の動力源として使われる重要な鉱物の市場で足場を固めるため、ニューヨーク上場のリチウム生産会社アルカディウムリチウム(Arcadium Lithium、ペンシルベニア州)の買収交渉を進めている。
ウォールストリート・ジャーナルによると、リオティントは現在、利益の大部分を鉄鋼原料の鉄鉱石に依存しているが、クリーンエネルギー技術が世界的に大きく成長する中、今後需要の高騰が見込まれる金属の生産を拡大するため、事業の再構築を図っている。
リチウムはリオティントが成長を優先させたい事業の一つで、EVだけでなく、必要な時に電力系統への給電も可能な巨大蓄電池にも使用されるため、同社は今後10年間で需要が急上昇すると予想している。
ただ、リチウム市場への進出は容易ではなく、セルビアに巨大なリチウム鉱山を建設するリオティントの計画は、地域社会の反対やロシアによる偽情報の疑いで中断している。同社のヤコブ・スタウショーンCEOは2023年、同社がさらなるリチウム資産の買収に関心を持っていることをほのめかしたが、買収のために高額を支出することは慎重な考えを示していた。
アルカディウムリチウムは24年1月、ペンシルベニア拠点のライベントと豪アルケムのリチウム開発大手同士が合併して誕生した会社で、時価総額は約30億ドル。アルゼンチンとオーストラリアで採掘を行い、米国、中国、日本、英国に処理施設を所有している。
アルカディウム買収が成功すれば、リオティントはたちまちリチウム生産で世界トップクラス入りすることになるが、両社は「交渉が合意に至る保証はない」と話している。