Tuesday, September 30, 2025 7:11 AM
クアルコム・BMW開発のADAS、自動車メーカーから引き合い
半導体大手クアルコムは、ミュンヘン国際自動車ショーで発表したBMWと共同開発の運転支援システム「Ride Pilot(ライドパイロット)」に多くの大手自動車メーカーから引き合いがあり、供給について協議していることを明らかにした。
クアルコム・ヨーロッパのエンリコ・サルバトーリ社長がオートモーティブ・ニュースに語った。ライドパイロットは、ドライバーの監督下で車両が自律的に走行するレベル2プラスの運転支援システムで、BMWの新しいEVプラットフォーム「ノイエ・クラッセ」を使って開発された新型電動SUV「BMW iX3」に初めて搭載された。
クアルコムがシステム・オン・チップ(SoC)コンピューターと認識ソフトウェアを提供し、BMWが車両が従うべき交通ルールを定める「ドライブポリシー」を提供している。クアルコムは複数のパッケージを自動車メーカーに提供し、現在インテル傘下モービルアイと半導体大手エヌビディアが主導している運転支援システム分野での存在感を強めたい考えだ。
サルバトーリ社長は9月上旬、ミュンヘンの会場で「ハードウェアに関心を持つ顧客もいれば、ハードウェアとソフトウェアを含む完全なパッケージに関心を持つ顧客もいる」と述べた。
ライドパイロットは、クアルコムが2022年にスウェーデンのビオニアから買収したソフトウェア開発事業アライバー(Arriver)の認識ソフトを使っている。このソフトは最大7台のカメラと5台のレーダーからの画像や信号を解釈するが、1台のカメラだけで作動する低コスト版もある。
このシステムはすでに60カ国での動作が検証されており、26年には40カ国が検証に加わる予定で、レベル2プラスのシステムを対象とした国連の新しい「ドライバー制御支援規制(DCAS)」にも準拠している。DCAS基準では、システムが交通規則に従って動作し、再現性があり、かつドライバーが容易に完全な制御に戻れることなどを自動車メーカーが証明しなければならない。