Tuesday, September 30, 2025 7:12 AM

電池部品のエンテック、アイスクエアードに過半数株式を売却

 電池部品製造の非上場企業エンテック・テクノロジー(Entek Technology、オレゴン州)は、投資会社アイ・スクエアード・キャピタル(I Squared Capital)に過半数の株式を売却する。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、アイ・スクエアードはエンテックに8億ドルを投資する。エンテックは、短絡(ショート)防止のための部品である電池セパレーター(絶縁膜)を製造しており、製品は電気自動車(EV)、軍事技術、エネルギー貯蔵システムなどに使われている。

 アイ・スクエアード(フロリダ州マイアミ拠点)は、インフラ投資を中心に約500億ドルを運用しており、今回の投資はエンテックがインディアナ州テレホートに計画している新工場の建設資金を供給する見込み。

 エンテックは2024年、EV用リチウムイオン電池の国内サプライチェーン拡大のためにエネルギー省から最大13億ドルの融資を確保したと発表しており、同省は最初の約7700万ドルをエンテックに支払う準備を進めているという。

 バイデン前政権下で承認された政府の優遇策は、電池生産などエネルギー転換技術への投資を呼び込んだが、これらの投資はトランプ現政権下で不透明な状況に置かれ、エネルギー省による融資はトランプ大統領就任直後の大統領令により一時停止されていた。

 7月に成立した共和党の歳出・減税法では、消費者が購入するEVや住宅用太陽光パネルに対する税優遇など一部の税優遇は廃止されたが、その他はおおむね維持され、優遇を受けるための新要件が追加された。その中には中国以外からの部品調達率を引き上げる義務も含まれ、この規定は将来エンテックが生産する部品に有利に働くと見られている。