Friday, January 20, 2017 10:01 AM

人気番組のスポンサー外れる〜川崎重工、トランプ関与で

 川崎重工業の米国部門カワサキモータースUSAは18日、トランプ次期大統領がエグゼクティブ・プロデューサー(EP)として関わっていることを理由に、NBCの人気リアリティ番組「ニュー・セレブリティ・アプレンティス」のスポンサーを外れ、番組との関係を断つと発表した。

 ロイター通信によると、番組とトランプ氏の関わりについて同社の顧客から不満が出ていたほか、経営陣にも懸念の声があり、草の根不買運動も起きているといい、広報担当のケビン・アレン氏は「米市民の懸念を受け、トランプ氏がEPとして番組に関わる限り、この番組には参加しないというアプローチをとった」と説明している。

 トランプ氏は2004年から番組に出演しており、大統領選への出馬を表明し選挙運動を始めた15年以降は俳優で元カリフォルニア州知事のアーノルド・シュワルツェネッガー氏が後任の司会者を務めているが、16年11月に次期大統領に当選した後も一般的に報酬が発生するEPの肩書きを維持している。

 1月16日に放映された回では、カワサキの新型オートバイの販売キャンペーン企画が番組の課題だった。カワサキは16年夏、シュワルツェネッガー氏が司会を務める同番組のスポンサーへの参加に合意しており、この時はトランプ氏がEPとして番組と関わり続けることを知らなかったという。

 ソーシャルメディアでは、トランプ氏やその家族とビジネスの取引をする企業に対する不買運動「#grabyourwallet」が広がっており、対象は「アプレンティス」のスポンサーやトランプ氏に選挙資金を提供した企業など約70社に上る。カワサキのアレン氏によると、顧客からは「実質的にトランプ氏が作り、今も関わり続けている番組をどうして支援できるのか」といった苦情が寄せられており、こうした客の反応や不買運動が幹部の懸念につながったという。