Friday, February 24, 2017 9:53 AM

大富豪スリム氏もEVに参入〜メキシコ製モデル販売へ

 2016年のフォーブス世界長者番付で4位に挙げられているメキシコの富豪カルロス・スリム氏が、電気自動車(EV)市場への参入を図っている。

 インサイドEVによると、氏の金融サービス会社インバーサ(Inbursa)の傘下にあるジャイアント・モーターズ(Giant Motors、メキシコシティ)は、2018年の販売開始を目指してメキシコ人向けのメキシコ製EVの開発を進めている。

 スリム氏にはメキシコの自動車産業を再生させる力があり、ジャイアントのEV事業が成功すればメキシコ以外でもEV市場の新しい勢力になる可能性がある。ジャイアントのエリアス・マッサリ中南米担当CEOは「新しいメキシコ製のEVを開発中で、メキシコで生産するだけでなく、メキシコ消費者のニーズを満たすためのデザインやスタイルを用いる」と話している。

 製造は、世界最大の製パン事業を持つ食品大手グルポ・ビンボ(Grupo Bimbo)の子会社モルデックス(Moldex)との合弁事業が担当する。17年中には試作モデルを公開し18年には販売を開始する予定で、まずは大気汚染が深刻なメキシコシティ向けの電動タクシーとして展開する計画。

 ジャイアント・モーターズは、環境に優しい国産の選択肢としてこの事業を促進するため、政府に支援と協力を求めている。また同社は1月、中国のJACモーターズとメキシコで車を製造する44億ペソ(約2億1400万ドル)の提携契約を発表している。