Friday, March 10, 2017 10:59 AM

バイオ燃料と石油業界が協力〜内燃エンジンの存続訴えで

 バイオ燃料業界は、長年のライバルである石油業界と協力する姿勢を見せている。電気自動車(EV)の普及という共通の脅威があるためだ。

 ロイター通信によると、2つの業界は、政府が規定するバイオ燃料の混合率などをめぐって対立関係にあったが、EVが増加すればどちらの燃料も需要が減ることから、規制などの問題で連携する可能性を探っている。

 再生可能燃料協会(RFA)のボブ・ディニーン代表は「両業界はこれまでに考えていたより多くの共通目的を持つことを認識した」と語り、共通する懸念の1つがEVだという。石油業界も、EVが輸送燃料業界に懸念をもたらしているとの考えに同意。米国燃料石油化学製造業者協会(AFPM)は「EV業界が支援面で優遇されている」というRFAなどの指摘を歓迎しており、チェット・トンプソン代表は「われわれは内燃エンジンの長期存続を図るべきだと思う」と話している。

 コンサルティング会社CRUグループによると、EVおよびプラグイン・ハイブリッドの販売は、2016年の110万台から、21年には440万台に増加し、25年には600万台を超えると予想される。オバマ前政権は、燃費改善策の一環として、EVを積極的に支援していた。これに対しトランプ大統領は、掘削や製造業の拡大を支援する規制緩和を公約しており、環境保護局(EPA)長官にはその意に沿って二酸化炭素排出規制に消極的なスコット・プルイット氏が就任した。

 プルイット氏は、石油産地オクラホマ州の司法長官時代にEPAを何度も訴えているほか、ガソリンやディーゼル燃料に混ぜるエタノールやバイオ燃料の量を規定する再生可能燃料基準(RFS)も批判していた。