Thursday, May 11, 2017 10:31 AM

手のひらサイズの無人機開発〜エアロバイロンメント

 ドローン(無人機)製造大手エアロバイロンメント(AeroVironment、カリフォルニア州)は、小さな袋に入れて持ち運べ、手のひらから飛ばせる4ローターの軍用小型偵察ヘリコプター「スナイプ(Snipe)」を発表した。

 ロイター通信によると、これまで軍用ドローンの使用は専門の操縦士がいる大きな部隊に限られていたが、スナイプはわずか50オンスの軽量小型で、操作も簡単なため、普通の兵士が使用でき、分隊など最小単位の集団でも偵察機能を持てるようになる。

 同社は、最初の発注分として2017年4月に連邦政府機関に20機を納入したと発表したが、機関名は明らかにしていない。ただ、航空専門誌エビエイション・ウィークは16年に「エアロバイロンメントは米軍向けに試作品を開発中」と報道した。

 スナイプには、同社が国防総省の国防高等研究計画局(DARPA)向けにハチドリ型偵察ロボット「ナノ・ハミングバード」を開発した際に生まれた先進技術が使われている。カーク・フリット副社長によると、操縦者が身に付けて運べるように作られており、指示を受けて1分以内に飛ばせる。

 また情報活動、偵察活動を想定しているため、昼夜を問わず高解像度画像の送信や動画の撮影ができる。飛行速度は時速20マイル、航続距離は0.5マイルで、バッテリーは約15分間の継続飛行が可能。

 エアロバイロンメントは、軍の偵察ドローンとして広く活用されている「レイベン(Raven)」も作っている。こちらは重量4.2ポンド、全幅4.5フィートで、これまでに1万9000機以上が生産されている。