Friday, May 19, 2017 9:44 AM

加ボンバルディア調査へ〜商務省、ダンピングの疑いで

 商務省は18日、カナダの航空機大手ボンバルディアが米国で旅客機を不当に安く販売した可能性があるとの訴えに基づき、同社を調査すると発表した。ダンピング(不当廉売)などで米企業の損害が確認され、米国際貿易委員会(ITC)が最終認定すれば制裁関税が適用される。

 ロイターによると、調査対象はボンバルディアのCシリーズ旅客機(100〜150席)。競合機種を製造するボーイングが訴えていた。商務省はカナダ政府による補助金の有無についても調べる。

 ボンバルディアのCシリーズ販売をめぐっては、2016年に航空大手デルタに納入された75機について、18日にITCがボンバルディアとボーイング、デルタの3社から聞き取りを行っていた。ボーイングはボンバルディアがデルタにコストを大幅に下回る価格で販売したと主張している。聞き取りでは、デルタがボンバルディアの擁護をしてボーイングに反論した。

 一方、カナダのフリーランド外相は同日声明を発表し、米政府の対応に「強く反対する」と述べた。今後のボーイング関連の軍需品調達について見直していると警告しながら、「ボーイングはCS100(Cシリーズの機種)の輸出と競争しないことを認めており、今回の訴えに正当性はない」と強調した。

 カナダと米国には、酪農品や木材製品貿易をめぐって摩擦が生じている。今回の調査開始は貿易関係悪化の新たな火種になる恐れがある。