Thursday, June 01, 2017 11:26 AM

ペプシコ、ビタココに照準〜オール・マーケットの買収を交渉

 飲料大手ペプシコ(PepsiCo、本社ニューヨーク州)は、ココナツウォーター・ブランド大手「ビタココ(Vita Coco)」を所有するオール・マーケット(All Market、同)の買収に向けて同社と交渉している。

 ロイターが関係者の話として伝えたところによると、オール・マーケットは10億ドルでの身売りを目指しており、ペプシコはそれより低い額での買収を提示したという。交渉の先行きは不透明で、不成立に終わる可能性もある。

 消費者の好みは甘味飲料やスナックからより健康的な食品へと移行しており、ペプシコは売り上げが停滞しているだけに、オール・マーケットの買収が実現すれば商品の多様化につながる。

 ビタココは2004年にニューヨークで生まれ、現在は30カ国で販売展開するココナツウォーター市場の世界的大手となっている。ユーロモニター・インターナショナルによると、25億ドルの市場におけるシェアは26%。

 オール・マーケットには、ビール大手アンハイザー・ブッシュ・インベブと関係するベルギー一族の1人が経営する投資会社バーリンベスト(Verlinvest)が07年に資本参加したほか、歌手のマドンナ、俳優のマシュー・マコノヘイ、デミ・ムーアなども投資している。また14年には、レッド・ブル・チャイナを所有するTCファーマが25%を入手。これに伴い世界で最も人口の多い中国市場に参入した。この契約でオール・マーケットの時価総額は6億6500万ドルに達した。

 ペプシコは、クエイカー・オーツ、フリト・レイ、ゲータレイド、トロピカーナなどのブランドを所有しており、16年末には健康的な食生活推進事業の1つとして、25年までに穀類、乳製品、飲料などの「エブリデイ・ニュートリション」製品の売り上げをその他の商品の売り上げより多くすると発表した。