Thursday, August 03, 2017 10:19 AM

データ・センター、機能設計ごとに分化

 データ・センターはこれまで、都市部の例外を除いて一般に、郊外の広大な敷地に建てられた窓のないコンクリートの塊のような印象を与えてきた。しかし、データ・センターの巨大化にともなって今後には、なんらかの機能性に特化した設計に分化する傾向を強めている。

 JDスープラ誌によると、わかりやすい例としては、クラウド電算の処理に強みを持つクラウド・サーバーとクラウド・ストレージでおもに構成されるクラウド・データ・センターや、末端利用者に近い場所で小型データ・センター群を接続化させるマイクロ・データ・センター、再生可能エネルギーを電源とするグリーン・データ・センターがある。

 フェイスブックがスウェーデンのボーデンで運営する巨大データ・センター群では、電力のすべてを再生可能エネルギーから調達している。

 ノルウェイでは、鉱山跡を利用して安全かつ自然冷却機能にすぐれた設計の6階建てデータ・センターが稼働している。一つ階だけでノルウェイ全土のサーバーをホストできる処理力と接続容量を備えている。つまり、ノルウェイ6個分を一つでまかなえるデータ・センターだ。

 また、マイクロソフトは、太平洋の海中にデータ・センターを設置する研究を進めている。海水を使ってサーバーやストレージ機器、通信機器冷を却するしくみだ。

 一方、アップルのデータ・センターのなかには、排水処理された水を冷却用に再使用する循環水冷機能を実現したところもある。アップルはそれによって年間500万ガロンを節水している。

 かたやグーグルは、データ・センターの節電を最大限にするために、専門のアルゴリズムを基盤とした人工知能が電力効率最適化を実現するシステム開発に注力している。

 そのほか、データ・センターの設計に際しては、重視される部分も変わってきた。従来には、ストレージ容量と被災時の復旧機能に重点が置かれたが、現在では、通信遅延性の最小限化とデータ処理能力が重視されるようになった。

 データ・センターの世界市場は、2014年の150億ドルから2019年には220億ドルに拡大する見込みだ。

http://www.jdsupra.com/legalnews/data-center-trends-in-construction-and-62414/