Wednesday, January 17, 2024 11:37 AM

アーサリオ、トラインフレックス企業連合にデジタル・ツインを提供

 デジタル・ツイン技術を提供する新興企業アーサリオ(UrsaLeo、サンフランシスコ拠点)は1月16日までに、欧州の企業連合トラインフレックス・コンソーシアム(Trineflex Consortium)と提携した。アーサリオは提携のもと、エネルギー集約度の高い工業のためのデジタル・ツインをトラインフレックスに提供する。

 デジタル・ツイン(digital twin)とは、物理的事象をデジタル環境で模擬的に再現することを意味する概念。たとえば、遠隔地にある工場や設備の環境をコンピュータ・システム上で模擬再現することで、現実の工場または機械の制御や管理を簡便化する。次世代の製造業や第4次産業革命(インダストリー4.0)を支える技術として位置づけられる。

 ベンチャービート誌によると、トラインフレックス・コンソーシアムは、欧州委員会が「ホライズン・ヨーロッパ」制度を通じて資金援助している取り組みで、エネルギーを大量に使う工業施設を監視かつ管理するためにデジタル・ツインを活用する。

 アーサリオのデジタル・ツイン技術は、エヌビディア・オムニヴァース・エンタープライス(Nvidia Omniverse Enterprise)を活用し、地理的な場所の制約にとらわれずに協業を可能にする。また、エヌビディアのグラフィクス・デリヴァリー・ネットワーク(Graphics Delivery Network)を活用して複雑なシステムを表現し、現場の状況に関する理解を高める。

 今回の提携の初期段階では、同コンソーシアムに加盟する4社にアーサリオがデジタル・ツインを提供する。それら4社はそれによって、下水処理施設や銅管製造工場、ガラス製造工場といった施設や設備の状況をリアルタイムで視覚化する。

 産業施設はオムニヴァースを使うことで、現場の状況をきわめて精細にデジタル的に再現でき、仮想模擬化を活用できるようになる。同コンソーシアムの加盟各社は物理的資産の状況を立体的仮想環境で分析して模擬化を実行できるようになる、とアーサリオは説明している。

 同コンソーシアムの加盟社らはまた、アーサリオの技術を導入することでデータを共有し、情報交換できるようになる。

 アーサリオのジョン・バートンCEOは、「われわれもトラインフレックス・コンソーシアム加盟社だ」「エヌビディア・オムニヴァースを活用した最新のデジタル・ツイン技術を世界各地の現場に届けていく」「エネルギー効率化と協業を目指す同コンソーシアムの構想を支えていく」と述べた。

https://venturebeat.com/metaverse/ursaleo-teams-with-trineflex-consortium-on-digital-twins/