Tuesday, August 09, 2016 11:10 AM

自動の迷惑電話やめさせよ〜FCC、電話会社に書簡

 連邦通信委員会(FCC)はこのほど、大手電話会社あてに、自動の迷惑電話(ロボコール)を遮断できる技術を開発して消費者に提供するよう要請する書簡を発送した。

 ロイター通信によると、書簡はFCCのトム・ウィーラー委員長名で、ベライゾン・コミュニケーションズ、AT&T、スプリント、USセルラー、レベル3コミュニケーションズ、フロンティア・コミュニケーションズ、バンドウィズ・コム、Tモバイルなど大手電話会社の最高経営責任者(CEO)に対し、実行に移せる具体的な解決策を添えて30日以内に返答するよう求めている。

 FCCの書簡は、ロボコールの遮断やフィルター機能の提供を義務付けている訳ではないが、そうしたサービスを無料で提供することを強く奨励している。これを受けてセルラー通信工業会(CTIA)のトム・パワー代表は、「迷惑電話や迷惑メッセージは無線通信業界が対応に努めている消費者問題の1つで、FCCと協力して一緒に問題解決を図ることを望んでいる」と述べた。

 FCCにはロボコールや迷惑なテキスト・メッセージに関する苦情が毎年大量に寄せられており、FCCは今回の書簡で、発信者が虚偽の情報を送信して発信者欄の表示をごまかす問題への対策も求めている。

 近年の電話による詐欺は、銀行や政府の電話番号を不正に表示して消費者を信用させ、金融情報や口座番号などを聞き出そうとする例や、ありもしない休暇旅行プランや銀行ローンを売り込もうとする例があり、海外から米国に向けて発信されることが多い。このためFCCは、政府機関や銀行、医療機関などが電話番号を登録しておけば、それらを使った海外からの電話を通信業者が遮断できる「ドゥ・ノット・オリジネイト」リストを作ることを提案している。

 FCCは2013年以降、13件のロボコール犯罪を取り締まっており、15年には格安旅行を売り込むため違法に電話をかけたフロリダの会社に罰金約300万ドルを科している。