Tuesday, April 03, 2018 12:31 PM

産科医も不妊手術推奨 「悪質遺伝、社会に迷惑」

 「不良な子孫の出生防止」を掲げた旧優生保護法下(1948〜96年)で繰り返された障害者らへの不妊手術について、53年に発行された助産師向けの冊子で産科医が「悪質遺伝の子を産むことは社会に大きい迷惑を掛ける」「生まれぬようにするのが最も良い方法」として実施を推奨していたことが3日、分かった。旧法に基づく「国策」の下、出産を支援する助産師に医師が優生手術の必要性を説いていた実態が判明した。

 識者からは「医療関係者の関与を検証するため、医療機関による自発的な調査が必要だ」との指摘が出ている。

 この冊子は「保健と助産研究会」が発行していた「保健と助産」で、57年からは日本助産婦会(現日本助産師会)が編集発行を引き継いだ。冊子は国立国会図書館に保管されていた。(共同)