Wednesday, April 18, 2018 12:10 PM

米国、赤字削減へ圧力必至 日本の自動車輸出が増加

 財務省が18日発表した2017年度の貿易統計(速報、通関ベース)で、米国向けの黒字が2年ぶりに拡大した。自動車輸出の増加がけん引した。米国の貿易赤字を問題視するトランプ大統領が日本への圧力を高めるのは必至だ。日米首脳会談では、2国間の自由貿易協定(FTA)交渉をちらつかせ、日本に削減策を迫る可能性がある。

 米国向け輸出のうち、金額で最も大きい品目は自動車だ。大型乗用車が好調で前年度比5・7%増の4兆6127億円になり、輸出額全体の3割を占めた。自動車貿易は「トランプ大統領が最も関心が強い分野のひとつ」(政府関係者)で、トランプ氏がやり玉に挙げる恐れがある。

 米側は非関税障壁の撤廃を求めるとみられるが、日本は「国際的な基準を取り入れており、すでに市場は開放している」(経済産業省幹部)との立場。日本の自動車メーカーによる現地生産の拡大や雇用創出が米国の貿易赤字削減にもつながるとの考えを伝える構えだ。(共同)