Monday, April 30, 2018 9:54 AM
新経営計画が復活の試金石 ソニー、収益安定に課題
ソニーが27日発表した2018年3月期連結決算の営業利益が20年ぶりに過去最高を更新した。ただ業績回復をけん引した半導体事業は減速気味で、19年3月期は減益の見込みだ。映画や音楽事業の好調が続くかもヒット作次第という側面が強い。4月に就任した吉田憲一郎社長は5月に新たな中期経営計画をまとめる。一定規模の収益を安定して継続する戦略を打ち出せるかどうかが「復活」を確実にする試金石となりそうだ。
27日に東京都内で決算会見に臨んだ十時裕樹最高財務責任者(CFO)は「ソニーは5000億円以上の営業利益を続けたことがない。緊張感を保つことが重要だ」と強調した。19年3月期は6700億円の営業利益を予想するが、過去には業績の下方修正を繰り返したこともあり、絶対視はできない。
社内の緩みを引き締めるかのような十時氏の発言は、スマートフォンに依存する半導体事業の先行き懸念が一因だ。アップルのiPhone(アイフォーン)10(テン)の販売不振や中国の高性能スマホの失速で足元の半導体市況は弱含んでいる。ソニーは7月以降は回復すると見込み、製品強化の設備投資も計画しているが、「米中貿易摩擦の影響で減速が長期化する可能性がある」(証券アナリスト)との声がくすぶる。(共同)
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