Tuesday, May 08, 2018 11:06 AM

米政策の過大評価けん制 FRB議長、新興国影響で

 米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は8日、スイス・チューリヒでの講演で、米金融政策が新興国に与える影響を「誇張すべきではない」と述べ、市場が米金融政策の影響力を過大に評価することをけん制した。新興国への影響を理由に、金融政策運営が縛られるのを懸念した発言とみられる。

 FRBは段階的に利上げを進めており、次回は6月に実施する見通し。最近では利上げ加速観測から米債券市場で長期金利が上昇。新興国から資金を引き揚げ、米国に移す動きもある。アルゼンチンの中央銀行は、通貨下落対策として政策金利を40%とする緊急利上げに追い込まれた。

 20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議などの場でも、米国の金融引き締めに伴い、新興国から資金が流出することに懸念する声が出ている。(共同)