Tuesday, May 15, 2018 11:35 AM

「吉野宮」の正殿か 四方にひさし、大型建物跡

 奈良県吉野町の宮滝遺跡(国史跡)で奈良時代前半(8世紀)の大型掘っ立て柱建物跡が確認され、県立橿原考古学研究所と吉野町が15日発表した。四方にひさしが巡る構造は、天皇が住んだ内裏に匹敵する最高格式で、飛鳥宮や平城宮の内裏と同じ。飛鳥・奈良時代の天皇が盛んに訪れた離宮「吉野宮」の中心となる正殿の可能性がある。

 謎に包まれていた吉野宮の全体像を解明する手掛かりとなりそうだ。

 吉野川北岸にある宮滝遺跡では、これまでも飛鳥・奈良時代の遺構が出土しており、日本書紀や万葉集に登場する吉野宮の有力候補地だった。同研究所の菅谷文則所長は「天皇にだけ許される格式の建物が確認され、遺跡が吉野宮であることを決定づけた」と語った。(共同)