Thursday, June 07, 2018 11:08 AM

日中通報体制がスタート 衝突回避へホットライン

 日中両政府は8日、東シナ海などでの自衛隊と中国軍の偶発的衝突など不測の事態の回避に向けた相互通報体制「海空連絡メカニズム」の運用を開始した。ホットラインなど防衛当局間の直接対話によってトラブルを回避する。運用開始に伴い、年1回の定期会合も開いていく。今後、相互信頼を深めていけるかが課題となりそうだ。

 河野克俊統合幕僚長は7日の記者会見で「コミュニケーション方法が明記され、現場における不測の衝突を回避するという意味で非常に重要だ」と強調した。定期会合などで防衛交流が進むことにも期待感を示した。

 連絡メカニズムは、海空域での衝突回避のほか、日中間の防衛協力強化やトラブルの外交問題への発展防止が主な目的。中国が一方的に領有権を主張する沖縄県・尖閣諸島の扱いを巡り、地理的な適用範囲の規定を設けず、対立を事実上棚上げすることで運用開始となった。(共同)