Monday, June 25, 2018 10:50 AM

老老介護、低所得は長時間 生活保護受給者は2.7倍

 高齢者が高齢者を介護する「老老介護」では、低所得層ほど介護が長時間に及ぶ傾向があることが25日までに、国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)の調査で分かった。生活保護受給世帯の高齢者は、年間所得が318万円以上の世帯に比べ、週72時間以上家族を介護する可能性が約2.7倍だった。行政から外部サービスに関する情報が入りにくかったり、身近に相談できる人がおらず、孤立していたりする恐れがある。

 調査は、2013年に大学研究者らが実施した「日本老年学的評価研究(JAGES)」のデータを改めて同センターが分析した。在宅で家族を介護している65歳以上の男女1598人を所得で分け、週当たりの介護時間を測定した。所得は1人当たりの金額に換算した。

 週72時間以上介護する可能性は、最も所得が高いグループ(318万円以上)を1とした場合、200万〜318万円未満が1.63、130万〜200万円未満が1.86、130万円未満が1.79だった。生活保護受給世帯では、家族を長時間介護する可能性が2.68と突出して高かった。(共同)