Tuesday, July 31, 2018 11:04 AM

日銀、長期金利の上昇容認 政策修正、副作用軽減へ

 日銀は31日の金融政策決定会合で、大規模な金融緩和の副作用を軽減するため、従来の金融政策を修正することを決定した。修正は2016年9月以来となる。長期金利の一定幅の上昇を容認。株式相場への影響に配慮し、上場投資信託(ETF)の購入配分を見直す。マイナス金利の適用も縮小する。黒田東彦総裁は記者会見で0.2%程度までの長期金利上昇を想定していると明かした。短期金利をマイナス0.1%とし、長期金利を0%程度に抑える全体の枠組みは維持した。

 菅義偉官房長官は31日の記者会見で、日銀の対応を「金融緩和の持続性を強化するものと評価している」と歓迎した。

 日銀は声明文で、0%程度に誘導している長期金利について「経済・物価情勢に応じて上下にある程度変動しうる」と明記。現在は事実上、0%から上下0.1%程度の変動が許容されているが、黒田氏は修正後は「その倍程度を念頭に置いている」と説明した。80兆円をめどとする国債買い入れも「弾力的に実施する」と改めた。国債取引の減少による市場機能の低下といった副作用に対応した。決定には9人の政策委員のうち、2人が反対した。(共同)