Wednesday, August 01, 2018 10:34 AM

皇位継承の式典事務局設置 首相「国家的行事に全力」

 政府は1日、天皇陛下の退位と新天皇の即位に伴う一連の儀式の準備作業を統括する「皇位継承式典事務局」を設置した。一連の儀式の円滑実施へ調整を本格化。新天皇家の負担軽減や経費削減の観点から、式典の簡素化が課題だ。政教分離などを定めた憲法の趣旨に沿って詳細な式次第を作成する。安倍晋三首相は1日、事務局の職員に内閣府で訓示し「歴史的、国家的行事に当たり、準備に全力を尽くしてほしい」と指示した。

 儀式は平成の例を踏襲。2019年2月24日の「天皇陛下在位30年記念式典」を皮切りに、秋篠宮さまが皇位継承順1位の「皇嗣」に就いたと示す20年の「立皇嗣の礼」まで続く。19年4月30日には天皇陛下が三権の長に最後の言葉を述べられる「退位礼正殿の儀」、10月22日には即位の礼の中心的儀式である「即位礼正殿の儀」を行う。首相は訓示で「国民と皇室の長い歴史と伝統に思いをはせながら、国民がこぞってことほぎ、世界中から祝福される式典にしたい」と述べた。

 簡素化を検討する対象として挙がるのは、国内外の賓客を招く「饗宴の儀」。天皇陛下の即位の際には、約3000人が参加して4日間にわたり計7回実施した。過密日程で天皇陛下へ重い負担がかかったとの指摘が出ており、回数減などが浮上しそうだ。国民に即位を披露し祝福を受けるパレード「祝賀御列の儀」でも経費削減が議論される可能性がある。「立皇嗣の礼」は具体的な開催時期が未定で、政府内の調整を急ぐ必要がある。(共同)