Monday, August 06, 2018 10:41 AM
核なき世界へ対話と協調を 首相、禁止条約を否定
広島は6日、被爆から73年の「原爆の日」を迎えた。広島市中区の平和記念公園では午前8時から「原爆死没者慰霊式・平和祈念式」(平和記念式典)が営まれた。松井一実市長は平和宣言で日本政府に対し「核兵器禁止条約の発効に向けた流れの中で国際社会が核なき世界へ対話と協調を進めるよう役割を果たしてほしい」と主張した。直接的な表現で条約の批准は求めなかった。
昨年国連で採択された核禁止条約は核廃絶への機運醸成につながると期待されたが、米国の「核の傘」の下で日本政府は否定的な立場を取り、被爆者から批判が相次ぐ。安倍晋三首相はあいさつで「粘り強く(核保有国と非保有国)双方の橋渡しに努める」としたが、式典後の記者会見では改めて条約に不参加の立場を表明した。
北朝鮮の非核化も不透明だ。米国も核兵器の近代化方針を決めるなど核への信奉は依然根強い。松井市長は平和宣言で「朝鮮半島の緊張緩和が対話により進むことを希望する」と述べ、自国第一主義の台頭や核兵器の近代化など世界の現状について「冷戦期の緊張関係の再現」と懸念を表明した。(共同)
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