Wednesday, August 29, 2018 12:29 PM

政府の年金改革案を緩和 ロシア大統領、失地回復図る

 ロシアのプーチン大統領は29日、最大の社会問題となっている年金改革についてテレビ演説し、政府が6月に打ち出した年金受給開始年齢の引き上げ案の大幅緩和を提案した。政府案に国民が猛反発しプーチン氏の支持率が急落したことを受け、自ら国民に柔軟な改革案を示し失地回復を図った。

 プーチン氏は、女性の年金受給開始年齢を現行の55歳から63歳に引き上げる政府案を見直し、60歳にするよう提案。公共交通機関の無料利用や税制上の優遇措置など年金生活者の特権については、新たな受給開始年齢に引き上げず、現行の年齢を維持すると述べた。

 男性の受給開始年齢を60歳から65歳に引き上げる政府案は維持したが、全体として高齢者に配慮し、財政規律を重視した政府案を大幅に後退させる内容となった。(共同)