Friday, September 21, 2018 11:12 AM

責任追及に公文書不可欠 カナダ日系人収容補償30年

 カナダ政府が1988年に第2次世界大戦中の日系カナダ人に対する強制収容を謝罪し、生存者に補償して今月で30年となるのを記念する市民集会が、首都オタワで20日開かれた。補償を求める運動を主導した日系人らは、収容の詳細を記録した公文書が政府の責任を追及する上で決定的な役割を果たしたと語った。

 強制収容された日系人への補償(リドレス)問題について政府と交渉したアーサー・カズミ・ミキ元全カナダ日系人協会長(82)は、70年代に公開された公文書を活用した経緯を紹介し「多くの人が知らない政府の不正が明らかになり、われわれの立場を強めることができた」と話した。

 少年時代を強制収容所で過ごした柴田ヘンリー隆典さん(88)は「ボランティアが公文書を調べ、データを会計会社に提出し、補償金額を計算できたことでリドレスが実現した」と説明した。カナダ国立図書館・公文書館に務める日系3世のガブリエル・ニシグチさんは「政府が過ちを犯した時、人権を守るためにも公文書は欠かせない」と強調した。(共同)