Friday, September 21, 2018 11:15 AM

iPS血小板輸血を了承 厚労省、難病貧血患者に

 厚生労働省の専門部会は21日、さまざまな細胞に変化する人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作った血液成分「血小板」を難病貧血の患者に輸血する京都大の臨床研究の実施を了承した。京都大は1年以内の輸血を目指す。iPS細胞は献血に代わって、不足しがちな血小板の供給源になるのではないかと期待されており、今回の臨床研究はその実現に向けた一歩となる。iPS細胞の再生医療が認められたのは国内で4種類目で、血液の病気では初めて。

 計画は、赤血球や血小板などが減少する難病「再生不良性貧血」の患者が対象。患者は出血しやすいため、iPS細胞から止血作用のある血小板を作り、輸血する。血小板の数を徐々に増やしながら最後の3回目には約1千億個を輸血する予定。1年間かけて安全性などを確認する。

 血小板の減少に対しては、献血による血小板を輸血する治療があるが、今回は、拒絶反応が起きるため通常の血小板輸血ができない患者1人を対象とした。チームは、京都大に備蓄されている健康な人のiPS細胞から血小板を作り、複数の患者に輸血する計画にも取り組んでいる。(共同)