Wednesday, October 03, 2018 10:40 AM

飢えと渇き、略奪が日常化 被災地、相次ぐ住民脱出

 十数人の男たちが、無言で商品が無数に散乱した店内をあさっていく。インドネシア・スラウェシ島の地震と津波で大きな被害が出た島中部パル。市内の商業モールでは、取り締まるはずの警察官の姿はなく、飢えや渇きを満たそうとする一部の被災者による略奪行為が日常化していた。3日で発生から6日目。食料を求め被災地を脱出する住民も相次いでいる。

 パル中心部にある4階建ての「ラマヤナ・モール」。地上に駐車されていた車は壁の崩落などで大破。多くの遺体が、がれきや車内に残されたままだ。破壊を免れた車両のシートやタイヤの一部には、略奪者が持ち去った痕跡があった。取材中にも、ガラスの破片が落下してきた。建物がいつ倒壊してもおかしくないが、物色のためモール内にちゅうちょせず入る者もいた。

 近隣住民によると、地震が収まった直後には既に、モールの2階と3階に入り、衣類や靴を外に投げる略奪者がいた。(共同)