Wednesday, October 03, 2018 10:41 AM

津波観測ブイ全て作動せず 死者1400人超に

 インドネシア・スラウェシ島の地震と津波で、国家災害対策庁のストポ報道官は3日の記者会見で、同国周辺に設置された22基の津波観測用ブイが全て作動しなかったと明らかにした。壊れたり、予算不足で維持管理できなかったりしたためという。

 同庁によると、死者は1407人に達した。行方不明者は113人、避難者は7万人を超えた。犠牲者はさらに増えるとみられる。被害が拡大する中、日本を含む約30の国々と国際機関が支援を表明している。

 ブイは、死者・行方不明者が22万人を超えた2004年のスマトラ沖地震の巨大津波を受けて設置されたが、12年以降、どのブイも作動しない状態が続いていた。地震多発国のインドネシアだが、14年前の悲劇の教訓は生かされなかった。

 インドネシアは南北約1800キロ、東西約5100キロにわたり1万3400以上の島々から成る島しょ国だが、ストポ報道官によると、同国への津波警報は、インドやタイ、オーストラリア、米国がインド洋などに所有する計5基のブイによる観測に頼らざるを得ないという。住民に津波からの避難を呼び掛ける警報サイレンも全国で56基しかない。(共同)