Wednesday, October 10, 2018 10:10 AM

世界の災害損失2兆9080億ドル 20年間、異常気象で増加

 国連国際防災戦略(UNISDR)は10日、1998年から2017年の20年間に世界で洪水や地震などの自然災害により生じた経済損失額は2兆9080億ドル(約329兆円)に上るとする報告書を発表した。1978〜97年に比べると約2.2倍で「地球温暖化により異常気象は頻発、激しさを増している」とし、大規模災害が一層増える恐れがあると警告した。

 国別の損失額では2005年と17年に大型ハリケーンに見舞われた米国が9448億ドルで最も多く、中国が1998年の大水害や2008年の四川大地震などで4922億ドルと続いた。11年に東日本大震災に遭った日本は3763億ドルで3番目に多かった。次いでインドが795億ドル。

 報告書によると、1998年から2017年に記録された主な自然災害は7255件で、洪水が43%、暴風が28%と気象に起因する災害が全体の91%を占めた。災害による死者は約130万人で、津波を含む地震が約75万人と一番多く、全体の56%を占めた。次いで暴風の約23万人。(共同)