Wednesday, October 31, 2018 10:45 AM

女子像描いた土製品出土 全国初、石川の国史跡廃寺

 石川県野々市市教育委員会は31日、同市の国史跡「末松廃寺跡」で、女子像が描かれた9世紀ごろの土製品が見つかったと発表した。塔を模した焼き物「瓦塔」の一部で、これまでに全国で約250の出土例があるが、市によると、絵が描かれたものは初めてという。

 奈良文化財研究所の松村恵司所長によると、女子像は弥勒菩薩に仕える天女とみられる。松村所長は「北陸地方への弥勒信仰の浸透を物語る貴重な資料だ」としている。

 主に8〜9世紀に作られた瓦塔は、五重塔など高層の塔を模し、信仰の対象になっていたとされる。見つかったのは縦19センチ、横9.5センチ、厚さ1.5センチの板状で、8月に出土した。(共同)