Friday, November 02, 2018 9:54 AM

70歳まで就業、年金33万円 繰り下げ受給で初試算

 厚生労働省は2日、社会保障審議会年金部会を開き、高齢者の就労の多様化と、それに合わせた年金制度の在り方について議論した。60歳以降も働き続けた場合に受給できる厚生年金額を、複数のケースを用いて初めて提示。例えば70歳で退職して年金をもらい始めた場合、月約33万円(夫婦世帯)と試算した。現在の年金制度の基本となっている60歳退職、65歳受給開始では約22万円で、約1.5倍の額。

 政府は現在65歳までとなっている継続雇用の義務付けを70歳まで引き上げる方向で、未来投資会議で本格的な検討を始めている。2020年の通常国会にも高年齢者雇用安定法の改正案を提出する考えだ。高齢者にできるだけ長く働いてもらい、支え手になってもらう狙いで、公的年金の受給開始可能期間も現在の60〜70歳ではなく、70歳超も選択できるよう検討を進めることになっている。

 ただ66〜70歳での繰り下げ受給を選択する人は現在、受給者の1%台にとどまっており、どの程度理解が広がるかは見通せない。(共同)