Monday, November 05, 2018 9:28 AM

不正漁獲のイカ輸入で損失 26年間、469億円と分析

 違法操業などで不正に漁獲されたイカの輸入が供給過剰と価格の押し下げを招いており、国内の漁業者が2016年までの26年間に最大469億円の損失を被ったとの試算を、東京海洋大の松井隆宏准教授らのチームが5日、発表した。「水産資源の保護に加え、経済の面からも規制強化が必要だ」と指摘している。

 違法漁業や、漁獲量を水産当局に報告しない漁は、世界的に問題になっている。欧州連合(EU)や米国は、多くの魚種の輸入時に漁獲証明書の提出などを義務付けているが、日本は大西洋クロマグロなど一部に限られ、対策は不十分だ。主要な天然水産物の輸入量の3割程度が不正な漁獲との指摘もある。

 チームは、日本がイカを多く輸入している中国とタイ、ベトナムに着目。別の研究で示された3カ国の不正漁獲量の推計値を活用し、不正に水揚げされたイカの輸入がゼロになった場合の影響を分析した。(共同)