Thursday, December 20, 2018 9:29 AM

安保チームの助言無視 トランプ氏、独断の撤収

 トランプ大統領は19日、自らの安全保障チームの助言を一切無視し、選挙公約を遂行するためにシリア駐留米軍の撤収を決めた。国家安全保障会議(NSC)などの機関決定も経ない独断専行の危うさが露呈。トルコと「取引」したとの観測が浮上する中、与野党の有力議員らからは「中東の安定を損ない、米国の地位低下を招く」との批判が相次いでいる。

 CNNテレビによると、トランプ氏はここ数日、マティス国防長官やポンペオ国務長官、ボルトン大統領補佐官から「シリアからの米軍撤収は中東地域から手を引くことを意味し、敵国の影響力を高める」と相次ぎ反対されていた。

 米国務省のジェフリー・シリア担当特別代表も17日の講演で(1)過激派組織「イスラム国」(IS)壊滅(2)イランの影響力排除(3)内戦の政治解決ーが実現しなければ米軍はシリア駐留を続けると表明した。米軍制服組トップのダンフォード統合参謀本部議長も今月、米軍駐留は長期化すると述べた。(共同)