Wednesday, January 30, 2019 9:43 AM

5カ国、共同声明を断念 核保有国会議、米露対立

 米国、ロシア、中国、英国、フランスの核保有5カ国による核拡散防止条約(NPT)体制の維持をテーマにした会議が北京で30日始まった。会議は31日までだが、タス通信によると、ロシアのリャプコフ外務次官は会議で、5カ国間の信頼不足が原因で共同声明を断念することになったと指摘した。

 米露の中距離核戦力(INF)廃棄条約を巡り米国がロシアの違反を理由に脱退方針を示すなど対立が深まっており、会議に影を落とした。

 ロシアや欧米メディアによると、リャプコフ氏は会議で米国を念頭に「核不拡散や軍縮体制を揺るがそうとする試みが見られ、世界の戦略的安定の水準は低くなりつつある」と強調。米国のトンプソン国務次官(軍備管理・国際安全保障担当)はロシアと中国の核戦力の不透明性を批判した。(共同)