Thursday, March 07, 2019 9:14 AM

透析中止提示、患者死亡 福生病院、複数ケースか

 東京都福生市の公立福生病院で昨年8月、腎臓病を患った40代女性に、医師が人工透析治療をやめる選択肢を示していたことが7日、関係者への取材で分かった。女性は治療中止を選び、約1週間後に死亡した。この病院では、別の30代と50代の男性が透析治療を中止し、50代男性が死亡したとの情報もある。国の終末期医療の指針や学会が示した治療中止のガイドラインを逸脱していた疑いがあり、都は6日、医療法に基づいて立ち入り検査を実施した。

 女性は選択肢を示された段階では入院しておらず、透析治療を続ければ延命できた可能性がある。治療の手だてがなく、回復も見込めない場合に、苦痛を和らげる方法に切り替える「終末期医療」には該当しなかったとみられる。

 「患者の全身状況が極めて不良で、本人の意思が明示されている場合などに透析中止を検討する」との日本透析医学会のガイドラインに抵触する恐れがある。同学会は7日「大変重要な案件」として調査委員会を設置し、今後、病院への立ち入り調査を実施する。(共同)