Thursday, March 28, 2019 10:23 AM

米に拒否権、非難決議なし ゴラン問題、安保理に限界

 国連安全保障理事会は27日、米国がイスラエル占領地ゴラン高原のイスラエル主権を承認した問題を緊急会合で討議し、ゴラン高原を領有するシリアは米国の孤立を際立たせることに成功した。だが、常任理事国が持つ拒否権という「免罪符」に守られた米国に対しては、非難決議の採択が事実上不可能。安保理の限界が改めて露呈した。

 「ゴラン高原のイスラエル主権を認める米国の決定は安保理決議に違反している」(英国)、「一方的な行動は中東和平を模索する上で何の助けにもならない」(南アフリカ)。会合を要請したシリアの思惑通り、安保理理事国からは米国への批判や懸念が相次いだ。

 安保理は1981年、イスラエルによるゴラン高原併合決定を「無効」と断じ、決定の撤回を要求する決議を米国も含め全会一致で採択した。(共同)