Monday, April 01, 2019 10:14 AM

ウクライナ大統領選決選へ コメディアン勝利に現実味

 3月31日実施のウクライナ大統領選で、中央選挙管理委員会は4月1日、暫定開票結果(開票率79.18%)として、人気コメディアンのウォロディミル・ゼレンスキー氏(41)が得票率30.41%で首位に立ったと発表した。2位は現職のペトロ・ポロシェンコ大統領(53)で16.05%。共に当選に必要な過半数に届かず、4月21日の決選投票は両者の対決がほぼ確実となった。投票率は63.52%。

 ゼレンスキー氏は、ポロシェンコ氏と直接対決した場合を想定した3月実施の世論調査でも支持率43.0%対17.6%とリード。1回目投票で3、4位の候補はポロシェンコ氏に批判的で、両候補の意向がゼレンスキー氏を後押しする可能性もある。テレビドラマで架空の大統領を演じて人気を博したゼレンスキー氏は、既存政治家への国民の不満を背景に、決選投票での当選が現実味を帯びている。

 ゼレンスキー氏は、平凡な歴史教師があれよあれよという間に大統領となり、汚職や新興財閥実業家と闘うストーリーのドラマで主演。政治経験も主要政党の支持もなく、昨年大みそかに大統領選出馬を表明した。世論調査で一貫して他候補を支持率で上回る快進撃は「ゼレンスキー現象」と称される。(共同)