Friday, April 05, 2019 10:20 AM

世界初、小惑星に金属弾 はやぶさ2、実験成功

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は5日、探査機はやぶさ2が小惑星りゅうぐうの表面に金属弾を撃ち込む世界初の実験に成功したと発表した。小惑星の上空で分離した「衝突装置」が爆発した勢いで発射された弾が小惑星に当たり、岩石などが宇宙空間に噴出する様子をカメラが捉えた。

 JAXAの津田雄一准教授は記者会見で実験の成功を報告、「宇宙探査の新しい手段を確立した」と話した。狙った通り人工クレーターができたかどうかは探査機が上空から近づいてカメラで確認する必要があり、この作業は4月下旬までかかる見通し。津田氏は噴出物が見えたことで「クレーターができた公算が大きい」としている。

 小惑星は天体同士の衝突でできたと考えられている。金属弾をぶつける今回の実験はこの過程をごく小規模に再現することになり、小惑星の形成過程を知る手がかりになりそうだ。クレーターができていれば5月以降に着陸し、地下にあった岩石の採取を目指す。(共同)